2015年8月14日金曜日

あなたはわたしを映す鏡でした


彼女は、お姫様のようでした。

一人っ子で、欲しいものはなんでも買ってもらえて。
可愛らしい容姿で、声も高く、お姫様のようでした。

わたしは、容姿に自信がなく(でも実は自分のことまあまあ可愛いと思ってた!笑)、声も低く(まあ今となってはそれも歌を歌う上でかなりの財産だ)、

まあ彼女と一緒にいて、どこかで自分を卑下していたわけで。

勉強は出来たので、いわゆる優等生コースで大学入学までしたけど

年頃になるにつれて、彼女がより一層女らしく
そして、女を武器にすることをしだして
嫌悪感を抱くようになった。

彼女はどんどん、わたしの苦手とするタイプの女子になっていった。

でも、何かと言うと頼ってくるものだから
幼なじみの腐れ縁を切ることも出来ず、
何度も泣きながらの電話がかかってきては、なだめてた。

リストカットの気があるひとだったから、
わたしが見捨てたことでリストカットされたらどうしようって想ったりもした。

彼女が結婚するまで、わたしは彼女の心の保護者みたいな役割になってて
結婚して子供が出来て、彼女はわたしをそこまで必要としなくなった。
今となっては、家庭のことでいっぱいで、素敵な母となって毎日奮闘しているのだろう。


ふと、なんで彼女のことがどこかで苦手だと想っていたのかと
わたしの心のなかを覗いてみたら

そこには、お姫様になりたかった、ちいさなわたしが、いたのだ。

女の子らしくしたかったけど、
母の何気ない一言、「うちにも男の子がいたらねぇ」っていう
今思えば、本当に何気ない一言が
「わたしが女じゃなくて、男に生まれればよかったのに」
っていうネガティブ変換されていて
最近までずっと、その呪いに
しかも、自分で勝手にかけた呪いにかかっていたことに
ようやく気がついた。

自分でかけた呪いは、自分で解くしかないし
その呪いに気づくことが出来れば、もう解けたも同然。


彼女はわたしに、観せていてくれたのだ。

女として生きて、いいんだよ。
女はみんな、お姫様なんだよ。


鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのは
だあれ?


わたしは呪いを解き、より、わたしとして生きることを
赦そう

獅子座の新月を目の前に、
想う。

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